LATCH 駅員日誌

合宿が始まってから、１分たりとも時間を無駄にしていないという自負があった。

礼からは、合宿においては他者との交流も必要不可欠だから怠らないようにと言われたが、そんな時間こそ無駄以外の何ものでもないだろう。

だがこの間、偶然諏訪が数独を解いている様子を、つい立ち止まって見てしまった。

諏訪は数学が得意なようだ。

そのせいか、奴の姿は駅のホームで時折見かける、試験前の学生たちを彷彿とさせる。電車を待つ時間も惜しんで、参考書を手に集中している姿だ。

奴も学生の頃は、あんなふうに勉強していたのかもしれない。