LATCH 駅員日誌

独立不撓。

自分だけの力を試すチャンスを、俺はずっと求めていたのかもしれない。

花ゑみとして、亜恋さんと皐月さんと過ごした時間は本当にかけがえのないもので、心がいつも温かかった。

横を見れば必ず二人が寄り添ってくれて、いつでも手を差し伸べてくれる幸せ。

そういう「縁」が人の心を支えてるんだってことも、よくわかってる。

でも、俺は……いつか「俺だけの力」で、沢山の人達を笑顔にしたいって思ってた。

どんどん輝きを増していく塁くんの姿を見て、焦りが募ってくのもあった。

それが今回、エキメン総選挙で叶えられるかもしれない。そう思ったら、心臓がバクバクした。

もっともっと、成長したい。

だから今は……今は、皐月さんに、寄り添うことはできない。亜恋さんの手を取るわけにはいかない。

誰かに寄り添いたい気持ちは、俺の中から消えたわけじゃない。

だけど、今の俺は、俺のやりたいことを一生懸命やっていくって決めたんだ。