LATCH 駅員日誌

俺たちのブロックは、エキメン総選挙で勝ちにいこうっていう奴らが集まってるわけじゃない。

小鳥遊が引っ張ってくれてる感じはあったが、最初はどうにもまとまりがなかった。

特に、英だ。

LATCHの中で、エキメン総選挙に最も乗り気じゃない奴だと、俺は思っていた。

それはあいつの生き方からくるものだし、競うよりもそれぞれの個性を大切にするべきだという考えも、理解できる。

何より、乗り気じゃないものを無理にどうにかしようとしたところで、うまくいくわけがない。

だが、最近英は変わったように思う。

練習に前向きになったし、表情が明るくなった。

エキメン総選挙に参加することへの、自分なりの意義を見出したのかもしれないな。

全員が同じ方向を向いていればそれでいいとは、俺は思わない。

一人一人の大事にしてるものを守ってやりながら進んでいくのも、おっさんの俺の役割かもな、なんて、柄にもなく考えちまった。