ノー クルー

NØ Crew NØ Crew
NØ Crew
ノー クルー
下町情緒あふれた問屋街を愛する二人によって組まれたユニット
楽曲

NØ Crew「この夜ごと」

1st CD 『STATION IDOL LATCH! 01』

関連楽曲

ユニット名の由来

《前編》

ライブ会場 楽屋。
 
戸成「高良っち! ストレッチはもう済んでるか?」
高良「うーん……これでもねぇ……これも違う……」
戸成「おーい、高良っち!」
高良「んあ?」
戸成「いったいどうしたんだ。悩みごとでもあるのか?」
高良「悩みっつーか……俺たちのユニット名、ライブ中にバシッと発表できたらカッコいいのにな~って思ってさ」
戸成「それはそうだけど。でもユニット名はまだ決まってないだろ?」
高良「だから今、脳みそフル回転させて考えてみてるわけよ、俺らのユニット名をさ!」
戸成「今日発表するのは諦めろって。それに、俺たちはこれまでもユニット名無しでライブをやってきたはずだぞ?」
高良「そうだけど、そうだけどさ~~~!! 時間かけて決めりゃいいってもんでもねぇだろ」
戸成「じゃあ、今日までに二人で出し合ったアイデアの中から、決定するか?」
 
高良「何があったっけ……」
戸成「高良っちがこの間言ってたのは……『山手レンジャー』と、『SHITAMACHI BROTHERS』と――」
高良「やめてくれ! 全部ダセーやつだ!!」
戸成「だから、これから二人でカッコいいやつを考えていこうって話だったじゃないか。それとも、何か他にいい案があるのか?」
高良「う~ん……」
戸成「これだってものが今出せるなら、今日のライブで発表しても俺は全然かまわないぞ」
高良「わかった、待て待て……」
 
戸成「俺達の想いや、パッセンジャーの想いを乗せられるユニット名がいいと思ってる。耳に残るし、胸にも刻まれる、そんなユニット名を今すぐに思いつけるか? あ、他のLATCH!のユニットともかぶらないようにしないとな。それから、ロゴにした時にインパクトがあって――」
高良「だああああ~~、知らねぇよ!!」
戸成「ごめんごめん、本番前だからつい急かしてしまった。だけど、今の高良っちの……」
高良「ん? なんだよ」
戸成「この前日暮里駅で、電話してた海外からの観光客の方が叫んでたんだ。『No clue!』って」
高良「ノークルー?」
戸成「ネイティブがよく使うフレーズなんだけど、『知らねぇよ!』みたいな意味だ。今の高良っちの言葉でそれを思い出してさ」
高良「かっけーじゃん! ノークルー!」
 
戸成「そうそう。ユニット名にするならこんな響きの言葉がいいな――って、ダメダメ! 使い方間違えると失礼になる言葉だし、ユニット名には絶対に向いてないって!」
高良「ん~~~……ダメか?」
戸成「ダメだ」
 
戸成「ほら、時間切れだ。今日はユニット名のことは忘れて、いつも通り全力で楽しもうぜ!」
高良「…………だな! 気を取り直して、パッセンジャーたちとサイッコーの時間を過ごすとするか!(ニヤリ)」

《後編》

高良「今日も、サイッコーに楽しかったぜ~! ありがとな~!!」
戸成「こうしてみんなに会えると、俺たちもパワーをもらえるよな!」
 
高良「実は今日はみんなに、発表したいことがあるんだー!」
戸成「え?」
高良「また改めて発表する機会を設けるつもりだけど、俺たちのユニット名が決定したんだ!」
戸成「え? ちょっ、高良っち!?」
 
高良「俺達のユニット名は――『ノークルー』だぁ!!」
戸成「おい、おい、おーーーーい!!!」
 
ライブ後。楽屋。
 
戸成「今日も最高のライブだった。だけどさ、高良っち……『No clue』って気をつけなきゃいけない言葉だから、ユニット名には向かないって言ったのに。どうして勝手にあんなことしたんだよ!」
高良「まあまあ、落ち着けって綾」
戸成「落ち着いていられないだろ! 今更撤回なんて、パッセンジャーのみんなをがっかりさせることはできないんだから」
高良「けど綾だって、『ノークルー』って言葉の響きは最高だって言ってただろ?」
戸成「そりゃそうだけど。響きだけじゃなくて、ちゃんと俺たちらしい意味のあるものにしないと!」
 
高良「意味なら、ある!!」
戸成「え?」
 
高良「ライブ前に話してた時、俺、ピーンときちまったんだよ。『クルー』って英語、他にもなかったか?」
戸成「もしかして、『crew』のことか? 『乗組員』って意味の……って、え!? 高良っち……天才だな!?」
高良「そうだろぉー!! 俺たちのパッセンジャーは、みーんな、俺たちの船……つうか、列車に乗ってくれてる乗組員だろ!? パッセンジャーなしじゃ、この列車は走り出せないんだよ!」
戸成「なるほど、確かにそうだな。俺たちは、パッセンジャーのことをお客様というよりも、一緒に旅に出る仲間だと思ってる」
高良「だろ? 綾も、同じ思いだと思ってたぜ」
戸成「パッセンジャー無しで、俺たちのユニットは成立しない……ああ、そうか……そうだよな! なんて熱い思いが詰まっているんだ! すまない。俺はとてつもない勘違いをしてたみたいだ」
高良「気にするなって! つーか、勝手に発表した俺が悪いんだし」
戸成「ああ、そうだぞ、高良っち。これからはああいうことをする前に、きちんと相談してくれよな。もう、生きた心地がしなかったよ」
高良「サプライズってやつ、一度やってみたかったんだよ!」
戸成「サプライズのやり方を間違えてるって! 俺たちは二人で、パッセンジャーにハッピーなサプライズを届けていく。そうだろ?」
高良「あー、だな……悪かったよ、綾」
 
戸成「よし、この話はここまでだ。『No crew』、すごく気に入ったしな! それに……」
高良「なんだ、綾?」
戸成「『No crew』の『No』って!!! 高良っち、気がつかないか?」
高良「なんだよ、急にそんな大声出して」
戸成「大声出さずにいられないって! だって、日暮里のNに、御徒町のOだ!」
高良「うぉぉぉー!! すげぇな! 俺たち、天才じゃん!!! 『No crew』、これしかねぇな!!!」
戸成「ああ、もちろん。俺たちは今日から、No crewだ!」