LATCH 駅員日誌

若いやつらとの合宿生活をそれなりに楽しんではいるが、一人で肩の力を抜きたくなる時もある。

独り身のおっさんにとっては、常に誰かと一緒にいるっていうのはなかなか落ち着かないもんだ。

そんなわけで時々抜け出して、いつものバーで飲んでいるんだが……

先日は、店に着いてから何分もしないうちにあいつが来た。

正直、来るんじゃないかと思っていたんだ。

まったく……あれだけ日課のように誰かを口説いているんだから、誕生日を一緒に過ごす相手ぐらいいくらでもいるだろう？俺なんかのところに来てどうする？

そう言ったらあいつは、「今年こそは伍代さんに祝ってほしかったんです！でも、せっかくのお一人の時間を邪魔するのは、本意じゃないので…」とか言い出しやがった。

押したいんだか引きたいんだか……

仕方ないから、今日は俺のおごりで好きなだけ飲めって言ってやった。

「明日は仕事は休みですから！」って、いい具合に酔ってたな。

一人になりたい気分だったが、誰かのためにグラスを傾けるっていうのも、まあ、悪くはないもんだな。